パイロットが掃除をする?プライベートジェットを支える「異文化チーム」の作り方
- 7月17日
- 読了時間: 4分

みなさん、こんにちは! 株式会社グランジュテ・インスティテュートの今泉麻衣子です。
前回は、フライトの準備が離陸のずっと前から始まっているというお話をしました。 前回の記事はこちら>
今回は、プライベートジェットを支えるチームの話をします。
アメリカ人、オーストリア人、日本人。 国も文化も育ちも違う3人のパイロットと、どうやって一緒に働いているのかなどを綴っていきます!
チームで動く秘訣は、パイロットに依頼⁉︎

エアラインではフライトのたびにクルーが変わりますが、プライベートジェットは違います。
同じお客様のフライトには基本的に同じクルーが乗り、私と3人のパイロットで年間何十本ものフライトを共にします。
前回までの記事で述べたように、プライベートジェットの業務は山ほどあります。 だからこそ、「一緒に作り上げる」意識が自然と生まれるのです。
たとえば、着陸後の機内清掃も全員で。 パイロットがトイレを担当し、シーツを剥がし、掃除機をかける。 私はギャレーの片付けと皿洗いをしながら依頼を出します。
「シーツは全部剥がして、この袋に入れて」 「ブランケットの畳み方はこう。ずれたら合格が出ません」 「トイレが終わったら、次はこっちをお願い」
パイロットに依頼するなんて、あまり考えられないですよね。 でも私はガンガン伝えて、動いてもらいます。
正直、エアラインから来たばかりのパイロットは最初戸惑う方が多いです。 でも、早く終われば全員が早くホテルに入れる。
そうやって全員で動くことを伝えながら、少しずつ一緒にチームを作っていきます。
私が伝える、思いやりとSOS

現地で食事をするとき、パイロットたちはいつも交代で払ってくれます。
だから代わりに、イタリアに寄ったときは美味しいパスタソースを買って、「奥さんと一緒に食べて」と渡します。
または、現地で見つけたチョコレートを、「お子さんに」と持っていくこともあります。 ご馳走になった分を、その人が大切にしているものへの気遣いで返します。
また、長時間のフライトでパイロットが疲れている時は、私がコックピットに入って一緒に過ごしました。 眠気が来ないように、コーヒーを持っていって、たわいもない話をします。
それだけのことですが、長いフライトの中では大切な時間です。
逆に、自分がしんどいときは正直に伝えます。
体調が優れないとき、疲れが溜まっているとき、声に出して言います。 そうすると、パイロットが食後の片付けを手伝ってくれたり、「僕が洗うから、君は拭いて」と言ってくれたりします。
遠慮せずに伝えることがチーム力

日本人は、「言わなくてもわかる」という文化の中で育ちます。 察する、空気を読む、それが美徳とされてきました。
でも国籍も文化も違うチームで働くと、それは通じません。
助けてほしいなら、助けてほしいと言う。 体調が悪いなら、体調が悪いと言う。 これをやや大変だと思うなら、やや大変だと言う。
言わなければ、相手には届きません。 「大丈夫?」という問いに「大丈夫」と答え続けていたら、本当に大丈夫だと思われるだけなのです。
もちろん、伝え方には気を遣います。
異文化のチームで働くということは、自分のニーズを声に出しながら、相手への伝え方も丁寧に考え続けることだと思っています。
同僚にもホスピタリティを

プライベートジェットのクルーは、数週間にわたってほぼ24時間を共にします。
食事も、疲れも、体調の変化も、すべて共有しながら飛び続けます。 すると国籍や文化の違いを超えて深い絆が生まれます。
この仕事を通じて気づいたのは、ホスピタリティはお客様だけに向けるものではないということです。
一緒に働く仲間を一人の人間として尊重して、思いやりを持って接すること。 それが結果として、強いチームを作り、お客様へのサービスの質にも返ってきます。
次回は、このシリーズの締めくくりです。 なぜ年間58本のフライトを飛んでも飽きないのか。
プライベートジェットCAの仕事の魅力?魔力?についてお話しします!


