自信がないのも、緊張するのも、全部「エゴ」です
更新日:8月11日

みなさん、こんにちは! 株式会社グランジュテ・インスティテュートの今泉麻衣子です。
前回は、心の感度を上げるための実践として、相手の名前や背景を覚えること、ここに来る相手の前後の行動を想像して動くことをお話しました。
「やってみよう」と思っていただけた方もいるかもしれません。
でも、いざ実践しようとすると、こういう瞬間が訪れます。 ・声をかけようとして「余計なお世話かな」と躊躇する ・想像して先回りしようとして「外れたら恥ずかしい」と止まってしまう ・ありがとうを言おうとして「今さら言葉にするのも照れくさい」と飲み込む
こういう瞬間、邪魔しているのは何でしょうか。
それは「エゴ」です。今回は、そのエゴの話をします。
エゴとは何か

エゴというと、自己中心的、傲慢、そういうイメージを持つ方もいるかもしれません。 でも、ここで言うエゴはもう少し広い意味です。
自分が世間からどう見られるか、自分が相手からどう思われるか。 失敗したら自分が恥ずかしい思いをするのではないか、自分が傷つくのではないかと怖くなる。
ここにばかり意識が向いている状態が「エゴ」です。
例えば、同僚に「今日の会議での発言よかったね」と声をかけようとして、「余計なお世話かな」と躊躇すること。 これは相手のことを考えているようで、実は「余計なことを言う人だと思われてしまうのではないか」と自分のことを心配しています。
また、顔なじみのお客様に「髪型が変わりましたか?」と話しかけようとして、「恥ずかしい」と感じること。 これは相手のことを考えているようで、「間違えていた時に恥をかくのではないか」と自分のことを心配しています。
エゴは悪いものではなく、自分を守るために必要な感覚です。
でも、エゴがあると自分の感情ばかり気にしてしまい、一歩踏み込んだコミュニケーションが取れなくなります。 そして、心の感度は曇り、気づき力は生まれなくなってしまいます。
自信のなさも、エゴです

普段よく耳にする言葉、「自信がない」。
これは謙虚で誠実なように聞こえますが、エゴの一形態だと思っています。
自信がないとき、頭の中では「失敗したらどうしよう」「できない自分を見られたくない」「間違えたら恥ずかしい」という自分へ意識が向いているのではないでしょうか。
プライベートジェットCAの仕事をしていると、日々色んな方と関わります。
先日は、備品の扱いをめぐって関係者と意見がぶつかりました。 何度やり取りしても話が噛み合わなかったのです。
詳細は伏せますが、相手を観察していると、「上司に言ってしまったことに、引っ込みがつかなくなった」ようでした。 備品の扱いの正しさより、自分の面子が先に立っている状態。
「自分が既にこう言ってしまったから、今更変更できない」という意識が、判断を曇らせていたのです。これが、まさにエゴです。
自信のなさと同じ構造です。 失敗を認めたくない、引けない、そういう自分への意識が、相手を見えなくさせます。
緊張するのも、エゴです

20年以上前になりますが、エアライン時代のことを話します。
入社して数年が経過したある時、ファーストクラスのお客様のジャケットをお預かりする仕事がありました。 高価なコート、長年愛用されているジャケットなどを受け取るだけで、手が震えるほど緊張していました。
もしシミをつけてしまったら。もしドアに挟んで穴を空けてしまったら。
当時の私は「腹切りものだ」と本気で思っていました。思い返せば、あの緊張は、お客様への集中ではなく、「失敗した自分」への恐怖でした。
相手のジャケットを丁寧に扱うことより、失敗して怒られるかもしれない自分に、意識が向いていたのです。これがエゴです。 緊張するとき、人は相手ではなく自分を見ているのです。
時が経ちプライベートジェットCAに転身して20年、エゴを手放すとはどういうことか分かってきました。
「お客様のためにベストを尽くしていれば、怒られたって構わない。どんなに疲れていても、とにかく目の前のお客様のために、できることをやりきる」こう決意しました。
すると不思議と、視点が自分から相手に移っていきました。
エゴを手放すと、相手が見える

エゴを手放すことは、自分を消すことではありません。
自分がどう見られるかへの意識を、いったん脇に置くということです。
そうすると、視点が自分から相手に移ります。 相手が今どういう状態にあるか、何を必要としているか、何を感じているかが見えてきます。 気づき力は、そこから生まれます。
特別な才能は必要ありません。 まず、自分への意識に気づくこと。 「あ、今エゴが出ているな」と気づけた瞬間、もう半分は手放せています。
声をかけてみる。想像して先回りしてみる。ありがとうを言葉にしてみる。外れてもいい。うまくいかなくてもいい。
その一歩が、気づき力を育て、心の感度を上げていきます。 最後までお読みいただきありがとうございました。
私の記事が、みなさんの日常の仕事や人間関係に、少しでも役立てば嬉しいです。


