top of page

空の上で13品のコース料理を1人で出す!プライベートジェットCAの仕事術

  • 4月27日
  • 読了時間: 4分

更新日:3 日前



みなさん、こんにちは!

株式会社グランジュテ・インスティテュートの今泉麻衣子です。


前回は、プライベートジェットの食事準備についてお話しました。 フルーツを市場で買って直前に切る、という話を読んで「一人でそれをやるの?」と思われた方もいたかもしれません。


今回は、さらに具体的なお食事のお話をします。 市場で買ってきた食材を機内で仕上げながら、同時に13品のコース料理を1人で出すこともしばしば。プライベートジェットCAならではの、マルチタスクの極意をお話しします。



キャビアから始まる、13品のコース



私がよく搭乗させていただくお客様は、いつも決まったお食事の流れがあります。


1品目:キャビア 2品目:チーズ・生ハムのシャルキュトリーボード(フランス流の前菜の盛り合わせ) 3品目:サラダ+ケイジャンシュリンプ(エビの炒めもの)


この3品を召し上がってから、その日のコースに入ります。 コースは大体8品。デザートまで含めると、フライト中にお出しする料理の数は13品を超えることもあります。

フライトにもよりますが、お客様は大体3〜4名。 それを、一人で準備しながらサーブします。もちろん、私の頭はフル回転です!



お食事提供前の入念な準備



コース料理を空の上で出し切るために大切なのは、離陸前の準備です。


たとえば、メインのお料理は、レストランから紙パックのような形で届くことが多いです。 それをアルミフォイルのオーブン対応容器に一つひとつ移し替えてから温めます。


また、レストランへの発注時にも、細かくお願いしています。 たとえばステーキなら、「機内でさらに温めるので、グリルは50%だけにしてください」と注文。 なぜなら、すでに100%焼き上がったものをさらに温めると、お肉が固くなってしまうからです。



お肉・お魚・お野菜・スープ……それぞれ温度も加熱方法も違います。 「これはオーブンで何度・何分」「これは湯煎」「これはレンジ」。 フライトが始まる前に、頭のなかでスケジュールをすべて組んでおきます。


こんな風に「何をいつやるか」を先に決めておくことが、お客様にベストなお食事を提供できる秘訣です。 離陸前にすべての段取りが整っていれば、あとは実行するだけなんです。



調理・提供・片付けを、同時に回す



サービスが始まると、ギャレーとお客様の席の間を、ひたすら行き来します。


例えば、高級レストランに行くとカトラリーを頻繁に変えてくださいますよね。 プライベートジェットのお食事も、もちろんその対応をします。


洋食のコースでは、一品ごとにナイフとフォークを交換。 お魚用のナイフ、お肉用のナイフ、デザート用のスプーン……全部違います。 次に何を出すかを考えながら、使い終わったカトラリーを下げて、新しいものをセットする。ここでも頭をフル回転です。


それをやりながら、ギャレー(機内キッチン)では次の料理を仕上げています。



さらに、飲み物にも目を配ります 「シャンパンのグラスが空になっていないか」「お水は足りているか」。 お客様が何かを求めているサインを、常に拾い続けます。


もちろん最初からできた訳ではありません。 後輩のCAに「こんなサービスは無理です」と言われたことが何度かあります(笑)。 でも、20年やっていると、無駄のない動きが体に染み付いてくるんですよね。



見えない、気が付かない部分へのこだわり




それに加えて、私は小さいこだわりが無数にあります。 書き始めたら終わらないマニアックな話なので、1つだけ紹介させてください。


それはレモン キャビアや揚げ物に添えるために、串切りをお出ししていますが、実はかなり手をかけています。 ・両端をカット ・白い膜の部分も薄く切り取る ・種を一粒ずつ取り除く ・お絞りを必ずセットで添える

……細かいですよね。


ケータリングに頼むのではなく、自分で買って切るだけのことで、お客様が絞りやすくなるんです。 こういう「2歩先を考える」積み重ねが、サービスの質を作ると思っています。



サービスが終わる頃、ベッドも整っている




さあ、やっとデザートタイムまできました。 でもここで終わりではありません。 お客様がお休みになる空気を察知し、ベッドメイクを並行して済ませるのです。


お客様がデザートを召し上がっている間に、奥のゾーンから順にベッドを作り、照明を落とし、シェード(日よけ)を下げて、いつでも眠れる状態を整えておきます。 こうやって、食事のサービスと寝る準備を同時に進めるのも段取り力の一部だと思っています。


お客様が「眠いな」と思った瞬間に、すでにベッドが待っているって最高の状態ですよね。


次回は、フライトがいつから始まっているのかをお話しします。 1週間前からメニューを設計し、シェフと交渉し、花を手配し、搭載チェックまでこなす。 プライベートジェットCAの「離陸前」のリアルです。 ぜひ読んでくださいね!



 
 
bottom of page