top of page

プライベートジェットCAは市場の買い物から調理まで?VVIPに届く「究極の贅沢」の作り方

  • 4月17日
  • 読了時間: 5分

更新日:4 日前



みなさん、こんにちは! 株式会社グランジュテ・インスティテュートの今泉麻衣子です。


前回は、プライベートジェットCAの仕事量がエアラインの10倍になる理由をお話しました。 食材の手配から皿洗いまで、機内のすべてをCAが担うという話です。


今回は、プライベートジェットにおける食事準備にスポットを当てます。


自ら市場を歩き、食材を厳選する理由。 そして、プライベートジェット内での食事の裏側についてお伝えします。



ケータリングという、便利で正直な選択肢


実は、私はフライトごとに、ゼロから食事を設計します。


方法として、ケータリング会社に発注することもあれば、レストランからテイクアウトすることも、自分で作ることもあります。 毎回、その状況に合わせて選んでいきます。


もちろんケータリングは便利です。 プロが作ったものを届けてもらえ、準備の手間も時間も省けます。 フライトが立て込んでいるときは、本当に助かります。


ただ少し気になるのは価格なんです。 たとえばフルーツのプラッター(盛り合わせ)が、3人分で120ドルします。 日本円にすると、約18,000円。 海外のケータリングの相場ではありますが、正直、値段に見合わないクオリティのものもあります。



また、理由は値段だけではありません。 ケータリングのフルーツには、保存料が入っていることが多いです。 もちろんそれは安全基準内ですが、私が向き合うVVIPのなかには、それらを非常に気にされる「健康への意識が高い方」が一定数いらっしゃいます。


「最高の状態を求めるお客様がいる以上、私が自分の目で見て、直接買いに行こう」。 そう思うようになったのは、私にとって当然の選択でした。



だから、市場へ行く


私はフライトの前後で時間があるときに、地元のスーパーや市場に足を運びます。 買い物するときに大切にしているのは、「その土地で、今一番美味しいものを選ぶ」ということです。


たとえば、イタリアに寄港したときは、ラディッキオやフェンネルを探しました。 日本ではなかなか手に入らない、現地ならではの野菜です。 フルーツも、産地ならでは・旬ならではのものを選びます。 また、市場のスタッフに「今、何が一番美味しいですか?」「このフルーツはいつ入ってきましたか?」と聞くこともあります。


それだけでなく「明日夜のお食事に出すなら何が一番美味しい?」「どうしたらもっと熟しますか?」と質問し、ホテルのベランダにマンゴーを置いて追熟させたこともあります。 これも全て、お客様に美味しく召し上がっていただくためなのです(笑)


現地の人が教えてくれる情報は、どんなガイドブックにも載っていません。 その会話のなかで見つけた食材が、お客様に届く一皿になるんです。 とっても素敵だと思いませんか? 自分の目で選んで、自分の手でお出しできるのは、プライベートジェットCAならではのホスピタリティだと感じています。



機内で、作る


バナナ好きのお客様には特製プレートをご用意
バナナ好きのお客様には特製プレートをご用意

そして買ってきた食材は、機内で仕上げます。


私のこだわりですが、フルーツは召し上がる直前に切って盛り付けます。 切りたてのみずみずしさってたまらないですよね。 お客様もその美味しさを分かってくださるので、手間はかかるけれど毎回そうしています。


また、料理についても、できる範囲で作ります

たとえば、 ・IHクッカーを使って、野菜のグリルを作る ・チーズオムレツを焼く ・アボカドトーストを仕上げる ・旬の野菜でサラダをアレンジする……などなど。


自宅での料理も「このレシピ良いかも」と実験しています
自宅での料理も「このレシピ良いかも」と実験しています

どこかの厨房で作られた完成品ではなく、そのフライトのためだけに、その場所で選んだ一皿です。 その一皿を運ぶ瞬間が、たまらなく好きです。



お客様が「これが贅沢だ」と言った



私のこだわりが、自己満足ではないのだと確信させてくれた言葉があります。


あるお客様が、機内でお出しした料理を召し上がりながら、こんな言葉をくださったのです。


「どこかで用意された完成品ではなく、君が自分の目で見て選んでくれた食材を、今ここで食べられる。これこそが、本当の贅沢だよね」


この言葉をいただいたとき、私は胸が熱くなりました。 プライベートジェットをご利用になるVVIPのお客様は、高級レストランにも、世界中のホテルにも、何度でも行ける方々です。 良いものは、いくらでも手に入る生活です。


でもそれだけじゃない。 値段でも、ブランドでもなく、「自分のために選んでくれた」という事実が届いたと思いました。 保存料なし。フレッシュ。その土地の旬。召し上がる直前に切ったフルーツ。 小さいこだわりかもしれませんが、お客様に喜んでいただけるなら、市場に足を運ばない理由がありません。



今できる最善を、そのつど選ぶ



お伝えしたいのは、ケータリングを使うことも、市場に行くことも、どちらが正解というわけではありません。 時間がなければケータリングに頼るし、できるときは自分で買いに行くなど使い分けています。


でもいつも大切にしているのは、「決まったことをやる」のではなく、「今できる最善を、そのつど選び続ける」ことです。フルーツの話だけではなく、この仕事全体に通じていると思っています。


次回は、機内で13品のコースをお出しする話をします。


「一人でそれをやるの?」と思わず言いたくなる、プライベートジェットCAの仕事です。 お楽しみに!

bottom of page