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なぜ仕事量が10倍なのか。プライベートジェットCAの仕事のリアル

4月10日
読了時間: 5分


みなさん、こんにちは! 株式会社グランジュテ・インスティテュートの今泉麻衣子です。


前回は、エアラインとプライベートジェットの違いをお話しました。


今回は、そのなかで働くCAの仕事に踏み込んでいきます。


「プライベートジェットのCAって、エアラインのCAと何が違うんですか?」


これもよく聞かれる質問です。 結論から言うと…


仕事量は、10倍くらい違います。


「そんなに?」と思われるかもしれません。 でも、これは誇張でも謙遜でもないんです。


なぜ10倍なのか、順を追ってお伝えします。



エアラインCAとの決定的な違い



エアライン(航空会社)では、機内を支えるための仕事が細かく分業されています。


たとえば、

  • 食事はケータリング会社が準備して搭載。

  • 機内清掃は専門のスタッフが行う。

  • 備品の補充は、地上スタッフが対応。

  • CAはそれらを受け取って確認。お客様にサービスを提供することに集中します。


しかしプライベートジェットには、その仕組みがありません。


なので、機内に必要なものは、すべてCAが用意します。


食材の手配も、備品の補充も、清掃も、ベッドメイクも……機内で起きることのすべてが、プライベートジェットCAの仕事です。


フライト前はもちろんですが、途中現地の市場でも買い物します
フライト前はもちろんですが、途中現地の市場でも買い物します

チームで動くエアラインとは違い、たった一人で用意するのです。 (稀ですが二人の場合も!)


<POINT> エアラインCA:分業制なので自分の役割に集中できる。 プライベートジェットCA:機内のすべてを一人でプロデュースする。

フライト前の準備



フライトの準備は、離陸のずっと前から始まります。


まず、お食事の手配。 お客様の好みや宗教上の制限、アレルギー情報などをもとに、ゼロからメニューを考えます。


エアラインのように「今月のお食事はこれです」という決まりがないので、毎回そのお客様のためだけのメニューです。



メニューが決まれば、お客様とシェフそれぞれと入念に打ち合わせ。 フライトぎりぎりまで調整が終わらないことも多々あります。


また、同時並行で、フライトに必要なものを準備していきます。


お客様によって異なりますが、たとえば、

・紅茶の茶葉や添えるレモン ・アイスクリームを保存するためのドライアイス ・料理に必要な調味料 ・机に飾るお花のアレンジ ・お客様の好みに合わせた雑誌や新聞 ・アメニティやスリッパの選定 ・トイレットペーパー


現地で購入したタオルを自分で洗うことも
現地で購入したタオルを自分で洗うことも

正直、キリがありません…!


これらすべてを、自ら購入・手配・搭載します。 「機内にあるものは、すべて用意する」のがプライベートジェットCAの仕事といえるでしょう。


そしてスケジュールですが、フライトが数ヶ月前に決まることもあれば、数日前にいきなり連絡が来る場合もあります。 しかし、そんな時でも準備の質は決して変えません。


限られた時間のなかで、何ができるかを瞬時に判断して動く力が求められます。



フライトがはじまってから終わるまで



エアラインのCAと同じように、離陸してからも仕事は続きます。

しかし違うのは、業務の幅広さ。


お食事の提供はもちろん、保安業務、急病人への対応、アイロンがけや洗濯まで。 機内で起きることへの対応は、すべてプライベートジェットCAの仕事です。


そして、食事が終わったら…

お皿を洗います。



「え、お皿まで洗うんですか?」とよく驚かれます。


実は、エアラインでは使用済みの食器はまとめて下ろすだけですが、プライベートジェットではそうもいきません。


着陸までに時間があれば、食器を洗って乾かして、きちんとしまう。 機内のキッチン(ギャレー)を、自分の家のように整えておく感覚です。


そして、清掃も同じです。

  • 掃除機がけ

  • シートの拭き上げ

  • トイレ掃除

  • ゴミの処理

  • ベッドリネンの交換とクリーニング手配

時間がないときは、自分で洗ってアイロンをかけることもあります
時間がないときは、自分で洗ってアイロンをかけることもあります

これらをフライトの前後におこないます。 コロナ禍には消毒作業も加わったので、少し大変でした。(安全のために必要ですが)


さらに!パイロットのケアも忘れてはいけません。


長時間フライトで眠くなりやすい時間帯にはコーヒーを届け、食事のタイミングも気を配ります。 お客様の次に、パイロットへ。 自分のことは、いつも最後になります


顔なじみのパイロットたちにグラノーラを作ります
顔なじみのパイロットたちにグラノーラを作ります

以前、あるフライトで14名のお客様を一人で担当したことがあります。


9時間半のフライトで、お食事を2回提供して、その都度片付けて、洗って。


気づけば、ほとんど座っていませんでした。そんなこともあります。


<POINT> フライトの仕事:食材手配・メニュー設計・搭載・提供・片付け・皿洗い・ベッドメイク・清掃・トイレ掃除・ゴミ処理・パイロットケア…… これらを、ほぼ一人でおこなう

それでも仕事が大好き



ここまで読んで、「大変すぎる……」と思った方もいるかもしれません。


でも正直に言うと、私はこの仕事が好きでたまりません。


「限られた時間のなかで、どうやってお客様に最高の笑顔をお届けするか?」


この正解のない問いに、毎回向き合っています。 それが仕事の終わりのなさであり、やめられない理由でもあります。


ちなみに、去年1年間で、58本のフライトに乗りました。 長いものは15時間を超えます。


それでも飽きたことは、一度もありません。 なぜなら、毎回違うお客様・違う場所・違うドラマがあるから。



次回は、そんな仕事のなかでも特に驚かれるエピソードをお届けします。


世界の市場でCAが食材を買う話 フルーツはケータリングで頼まず、自分で市場に行って選んで切る、という話です。


(私と同じように)食いしん坊の方、お楽しみに!

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