ドバイで突き放され、香港で救われた。異文化を超えた2009年の出来事

みなさん、こんにちは! 株式会社グランジュテ・インスティテュートの今泉麻衣子です。
現役プライベートジェットCAとして20年、世界87カ国・VVIP3,000人以上と向き合ってきた経験をもとに、異文化コミュニケーションと、ホスピタリティについてお伝えしています。
今回は異文化の違いが分かりやすい、「大変だったエピソード」を書きました。 文化を超えて理解しあえるヒントをお届けします。
2009年。妊娠初期の、ドバイでの話です。
ドバイの空港で、突き放された

プライベートジェットCAのお仕事で、ドバイに3週間ステイ中。 その滞在中に妊娠が分かりました。 胃がムカムカして身体がだるい。帰りはエアラインだったので、なんとかドバイ国際空港まで向かいました。
空港内はとても広く、コンコース間の移動は約30分もかかります。 それに加えて持ち込みの荷物がとても重かったので、チェックインカウンターで相談しました。 「妊娠しているのですが、誰か手伝ってくれる人いないですか?」と。
しかしチェックインカウンターから返ってきた言葉は、「どうやって妊娠を証明するの?」。
私が「簡易検査で陽性が出て、体調があまりよくないです」と伝えても、「それをどうやって証明するの?」とさらに返されました。
何度もやり取りしましたが結局何もしてもらえず、自力で荷物を持って歩いて搭乗しました。
香港で起きたこと

そして、ドバイから香港へ向かう機内で、CAとの会話の中でドバイ空港での出来事を話しました。
CAからは「私も同じ母親です」「必要なことがあれば何でも言ってね」と温かい言葉をいただけたのです。
さらにフライト中にCAが空港担当者に連絡してくれたようで、香港に着くと私の荷物を運ぶために地上係員がドアサイドで待っていてくれました。 その方はラウンジまで荷物を運んでくれ、搭乗前にも迎えにきて、成田行きの便のドアサイドまで見送ってくれました。
そして成田空港では、また別の担当者が同じようにドアサイドでお迎えしてくれ、入国や税関手続きだけでなく、ホテル行きのシャトルバスまで荷物を運んでくれました。
ドバイでの出来事とは、まったく対照的でした。
なぜあの二つの対応は、真逆だったのか

ドバイのスタッフが冷たい人だったわけではないと思っています。 恐らく背景にあるのは、ドバイ独自の文化。
「全てを額面通りに信じてはいけない」「搾取する人がいるから注意する」という感覚が、ドバイの文化として根付いている側面があると思います。 もしくは、そのドバイのスタッフが生きてきた環境や、その日の気分も関係あるかもしれません。
一方、香港のクルーはなぜここまで親切にしてくれたのか。
国民性もあるかもしれませんが、もしかすると、「同じお母さん」だったからかもしれないです。 妊娠を経験した人、あるいは子どもを持つ母親として、しんどそうにしている私の様子を「自分ごと」として感じとってもらえた。
香港で出会ったクルーと私は、国籍も、言語も、文化も違います。 でも「お母さん」という背景が重なったとき、言葉が無くとも通じ合えたのかもしれません。
異文化の壁を越えるのは、知識より「共通点」だった

異文化コミュニケーションというと、「相手の国の文化を学ぶ」ことだと思われがちです。 もちろんそれも大切です。
でもこの経験で気づいたのは、もう一つの方法「共通の背景を見つける」ということ。
国が違っても、言語が通じなくても、「あなたの状況がわかる」という一点が重なれば、異文化の壁はずっと低くなります。 子育ての経験、仕事の苦労、誰かを失った悲しみ……。 そういう"人としての経験"が、"異文化を渡る橋"になるのではないでしょうか。
外国人の方と関わるとき、まず「何が共通しているか」を探してみてください。 それは文化の知識よりも、はるかに強い繋がりになることがあります。
あなたにも、言葉を越えて心が届いた経験はありますか?
異文化について一緒に考えませんか

異文化コミュニケーションや真のホスピタリティを伝えることが、私の使命だと思っています。 研修・講演のご依頼は、お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。
インバウンド対応、グローバルチームの育成など、現場の課題に合わせてご提案しています。


