「YES?NO?どっちですか?」日本人の気づかいが裏目に出るとき

みなさん、こんにちは! 株式会社グランジュテ・インスティテュートの今泉麻衣子です。
現役プライベートジェットCAとして20年、世界87カ国・VVIP3,000人以上と向き合ってきた経験をもとに、異文化コミュニケーションと、ホスピタリティについてお伝えしています。
今日は、日本人が持っている素晴らしい力の話と、その力がときに裏目に出てしまう話をします。
海外の方とお仕事されている方、海外を身近に感じている方、少しでも海外交流に興味のある方。 ぜひ異文化について考えるきっかけになれば嬉しいです。
日本人が持つ「言われなくても律する力」

私が思う、日本人の素敵な性質。
それは、どんな人、どんな国、どんな場所に行っても、リスペクトを忘れないこと。周りに気を配る力が高く、言われなくても空気を読んで、自ら動きを律する力があります。
例えば、電車の中でイヤホンの音量を下げる。自然とゴミを拾う。 会議室では静かに振る舞う。 飲食店では周りの迷惑にならないよう気をつける。
これはルールで縛られているからではなく、自然に身についた、日本人ならではの美しい性質だと思います。
この「察する力」は、日本人同士では通じます。 でも外国人と関わるとき、この「言わなくてもわかるはず」が、ときに大きな壁になります。
「YES?NO?どっちですか?」

仙台市の観光事業に関わる研修をさせていただいたとき、参加者の方からこんな話を聞きました。
外国人のお客様から難しいご要望をいただいたので、できるだけ丁寧に、やわらかく断ろうと「I wish…」と伝えた。 でも、そのお客様は「YES?NO?どっちですか?」と言われてしまったそうです。
「I wish…」は英語で「〜であればいいのに」「〜ならよかったのに」というニュアンスを持つ表現です。でもお客様の文化では、答えはYESかNO。 グレーゾーンは「優柔不断」か「不誠実」と受け取られてしまいかねません。
日本人特有の「傷つけないように丁寧に断る」という気づかいは、時にトラブルの元になるのです。
表面的な解決策ではなく、文化を知る姿勢

では、どうすればよかったのでしょうか。
「この状況ではこの英語フレーズを話す」「外国のお客様には全てYESかNOで答える」。そういう極端な解決策ではありません。
表面的なパターンやテクニックだけ覚えても、相手の国や状況が変われば、また衝突が起きるかもしれません。
だからこそ、背景にある「相手の文化」に心を傾ける姿勢と、「日本人特有の文化」を知っておく準備が大切です。その上で、相手とのコミュニケーションが成り立つと思っています。
元々日本人が持っている「察する力」「場を読む力」を、海外の方に向けて応用すれば、異文化コミュニケーションがより向上すると確信しています。
100%迎合でも、100%反発でもなく

これからの日本で、外国人との共存は避けられません。 街でも、職場でも、日常のあらゆる場面で接する機会が増えていますよね。
だからといって、相手の文化に100%合わせる必要はありません。 かといって、「日本のやり方が正しい」と100%押し通すのも違います。
お互いが歩み寄ること。それが、一緒にいるための唯一の道だと思っています。
これって、恋愛と似ていますよね。
好きな人と価値観がぶつかったとき、どちらかが完全に折れる関係は長続きしません。 でも、ぶつかり続けるだけでも消耗します。 お互いの前提を知って、少しずつすり合わせていくことが、真のコミュニケーションです。 国を超えた関係も、きっと同じです。
あなたは外国人に、うまく伝わらなかった経験はありますか? それは英語力の問題ではなく、「前提の違い」だったかもしれません。ぜひ教えてください。
異文化について、一緒に考えませんか

異文化コミュニケーションや真のホスピタリティを伝えることが、私の使命だと思っています。
研修・講演のご依頼は、お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。
インバウンド対応、グローバルチームの育成など、現場の課題に合わせてご提案しています。


