よく聞かれます。「プライベートジェットってエアラインと何が違うんですか?」
- 4月4日
- 読了時間: 5分
更新日:21 時間前

みなさん、こんにちは! 株式会社グランジュテ・インスティテュートの今泉麻衣子です。
現役のプライベートジェットCAとして、世界のVVIP(超富裕層・要人)をお迎えしながら、企業研修や講演活動を通じて「世界基準のホスピタリティ」をお伝えしています。
今回から、プライベートジェットの世界を深掘りするシリーズをお届けします。
「プライベートジェットって、エアラインとどう違うの?」
これは、私がよくいただく質問のひとつです。
どちらが上でも下でもなく、目的がそもそも違う乗り物なんです。 今日はその違いを、現役CAの視点からお話しします。
エアラインは、みんなのための公共交通機関

まず、エアラインとは何か、簡単に確認しておきましょう。
JALやANAのような航空会社が運航する定期便のことで、みなさんが旅行や出張でよく利用される、あの飛行機です。
チャーター便のように貸し切られることもありますが、基本的には誰もが同じルート・同じ時間に乗る、公共交通機関に近いものです。
「何日の何時に、どこからどこへ飛びます」というルートがあらかじめ決まっていて、そこに乗客が合わせて乗り込みます。 感覚としては、バスや電車に近いものがあります。
<POINT> エアライン=みんなのための空 ルールと時間は決まっているので、それに乗客が合わせる。
プライベートジェットは、私だけのハイヤー

一方、プライベートジェットは、まったく違います。
出発地も、目的地も、出発時間も、すべて自分で決めることができます。
事前にきっちりアレンジさえしておけば、あとはただ乗り込むだけで、目的地まで迷わず連れていってくれる。
これはまさに、ハイヤーです。 エアラインのように時刻表を調べるのではなく、「あそこに行きたい」と伝えて、あとはお任せ。 もちろん、行き先は世界中のどこでも構いません。
<POINT> プライベートジェット=あなただけの空 時間も場所もすべて自分が決められるから、世界中どこへでも直行できる。
なぜプライベートジェットが選ばれるのか

プライベートジェットが選ばれる最大の理由は、「時間をお金で買える」からです。
実は、エアラインのネットワークは「ハブ&スポーク」と呼ばれる構造で成り立っています。 主要な乗り継ぎ空港(ハブ)を経由して、各地に広がっていく仕組みです。
効率的ではあるのですが、目的地によっては、乗り継ぎを2〜3回重ねる必要があります。
実際にあったフライトの話をしましょう。
以前、高松空港からベルリンに、プライベートジェットで飛びました。

もしエアラインでこのルートを飛ぼうとすると、まず羽田に出て、羽田でヨーロッパ便を待ち、フランクフルトかミュンヘンに降りて、さらに国内線でベルリンへ向かう…。
恐らく合計24時間、3本乗り継ぎ、という旅になります。(航空会社の運航状況によりますが)
しかしプライベートジェットなら、高松を夜に出発して、機内で食事をして、眠って、着いたらベルリン。それだけです。

まさに「時間をお金で買う」ですね。
世界的なビジネスリーダーや富裕層が、プライベートジェットを手放さない理由は、こういうことなんです。
もうひとつのメリットはマルチストップ

プライベートジェットには、もうひとつ、あまり知られていないメリットがあります。
それが「マルチストップ」(周遊旅行)の使い方です。
たとえば、パリ→バルセロナ→ロンドン→ニューヨーク→サンフランシスコ→東京、というルートで世界を回るとします。
エアラインでこれをやると、パリで買ったお土産をスーツケースに入れて、以降ずっと引きずって移動することになります。
それが嫌で、お土産を買うのを我慢する方もいます。 (郵送もできますが、お金がかかるし、壊れるのが心配ですよね)

一方、プライベートジェットでは、荷物を機内に置いたままにできます。
「このお土産、飛行機に置いといて」 「ロンドンは1泊だから、バッグだけ持っていくね」 「ニューヨークではこれが必要だから、これだけ出して」
飛行機がコインロッカー代わりになる、というイメージです。
身軽に街を歩いて、必要なものだけを手元に持つことができます。
移動のストレスがゼロになり、快適に楽しめるのが大きなメリットであり、エアラインとの違いです。
移動手段ではなく、移動環境

改めてまとめると、エアラインとプライベートジェットの違いはこうです。
エアライン:ルートと時間が決まった、公共交通機関に近いもの
プライベートジェット:行き先も時間も自由な、まさに専用ハイヤー
でも私が思うのは、プライベートジェットは単なる「速い移動手段」ではない、ということです。
乗り換えなし、荷物の心配なし、時間の無駄なし。 自分のリズムで、自分のライフスタイルをそのまま空へ持ち込める……
それはもはや、移動手段ではなく、「移動環境」ではないでしょうか。
プライベートジェットを使う方々は、移動に時間を奪われるのではなく、移動の時間も自分のものにしておられます。

次回は、そんな空間を支えるプライベートジェットCAの仕事について、もう少し詳しくお話しします。
「仕事量は10倍」という話、驚かれる方が多いのですが……果たして本当に?
ぜひ続きも読んでいただけたら嬉しいです。